JCSSとはどのようなものでしょうか
JCSSとは、JapanCalibrationServiceSystemの頭文字をとった略称です。こちらは、計量法に基づく計量法トレーサビリティー制度(高精度の計測や品質管理の信頼性確保)を表しています。難しそうな響きですが、1gが正しく計測できているか、正しい計測機器を販売できているかといったところで着目される手法です。この制度に合致したおもりを利用することで、計測機器を販売する企業も正しい重さをはかることができる製品を販売できるようになります。こちらの制度は、「計量標準供給制度」と「校正事業者登録制度」の2つの柱から成り立っています。
国際基準にも通じるおもり校正のサービスとは
計量するために用いるはかりの基準は、分銅を用います。この分銅は国家標準といえる明確な疎明が必要になります。もちろん「重さ」が正確でなければ品質システムそのものの構築も失敗することでしょう。トレーサビリティー制度を遵守し、そのクオリティを確保するためには、はかりやおもりを用いたJCSS校正サービスが必要です。この制度を利用し、国家基準を満たしていることが確認できれば「JCSS標章付き校正証明書」を発行してもらえます。校正サービス等は、計量器の届け出製造事業者のうち、校正事業者登録制度によって「計量法に基づく計量法トレーサビリティー制度」に登録している事業者が行っています。一般計量士という国家資格保持者が校正に当たります。はかりを販売する企業や、「公平な重さ」を測りとったものを販売する事業者などは、これらの制度を利用する必要があります。
ISO9001取得の際には必要となる基準
この制度は、企業がISO9001取得の際には必要となる国際基準のひとつです。監視機器及び測定機器の管理の「国際又は国家計量標準にトレース可能な計量標準」を証明する書類として、標章付き校正証明書を取得することが求められます。国家基準とは冒頭で話をしましたが、標章付き校正証明書は、国際試験所認定協力機構(ILAC)やアジア太平洋試験所認定協力機構(APLAC)の国際承認制度に加盟する「IAJapan」認定された校正機関が発行しています。これによって、校正の結果は国際標準としても通用できるものとなります。校正証明書がついた計量器やおもりなどを使って計測することで、輸出する品物のトレーサビリティー証明を有効とすることができます。